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川床の献立表にハモもあり
昔、ある壮行会を料亭の川床で催しました。実に美味しい料理ばかりでしたが、献立表に、その季節ならではの、ハモもあったことを覚えています。
いくらでも咲くかの如く百日紅
サルスベリは、夏に明るい赤い花を咲かせてくれますが、「いったいいつまで咲き続けるのか」と言いたい位、長期間咲いているのです。
堂々と生きていけよと夏の雲
夏に入道雲が発生しますが、その形、姿が実に堂々としておりまして、見ているこちらも堂々と生きよと励まされているようなのです。
半袖の腕痛々し梅雨寒や
六月になり、衣替えで半袖にしたばかりの日焼けしていないうら白い半袖の腕が、梅雨寒の中、痛々しいように感じるようです。
万緑や胸は希望に燃えている
植物が一番生命力のあるように感じられる万緑の季節に、見ているこちらも、胸に秘めたる希望が燃えているかのように感じられます。
若竹や雲の重さをものとせず
若竹が実に勢い良く伸びている様子が、梅雨の、鉛色の重苦しい低く垂れこめる雲をものともせずに勢いよく伸びているかのようです。
若竹の一直線を見習いし
その年に竹の子から成長した若竹は、実に素直に真っ直ぐに一直線に伸びます。それも、勢いよく伸びます。そんな若竹を見習うのです。
想い出は遠くなりけり蝉しぐれ
夏の終りに、そのひと夏にあった出来事の想い出が段々と遠く忘れ去られていく中、蝉しぐれは、なお勢い盛んです。
六月や半袖の腕痛々し
六月になり、半袖に衣替えしたばかりの半袖の腕がま、まだまだうら白く、そこに、太陽が当たる様子が腕が痛々しく見えます。
風鈴や想い出遠くなりにけり
夏の終り頃に、風鈴の音を聴き、短いようで長かった暑い夏の色々な想い出を思い出し、その想い出に耽っていたのであります。
新緑の息吹感じて立ち止まる
夏の初め頃、植物たちの新緑の緑に目を奪れ、新緑の息吹を感じ、しばしその中で立ち止って、植物たちの息吹の中に佇んでおりました。
病院の廊下は長し夏めいて
病院を受診した際、廊下がやたらと長かったことが心に残りました。その廊下の椅子で診察を長時間待ちました。ある、夏めいた日の出来事でした。
山寺は新緑の中静かなり
坐禅会で通う臨済宗の禅寺は、ちょっとした山の中にありまして、ある日の坐禅会では、新緑の中、静かに皆で坐禅をしておりました。
坐禅会三応さんも夏衣
私は、臨済宗の山寺の坐禅会に通っておりますが、季節は急に夏になり、ご住職も老師も、三応さんも、皆、夏衣を着ていらっしゃいました。
雨上がり大合唱のツバメの子
ある雨上がりのときに、ツバメの巣では、その年に生まれたヒナたちがピーピーと鳴いて餌を欲しがっており、大合唱しているかの様でした。
鯉のぼり大口開けて何を飲む
鯉のぼりが風に吹かれ、大口を開けて空を泳いでおりましたが、風つまり空気を飲んでいるだけでしたが、何か別のものも飲み込んでいるかの様でした。
蝉しぐれ包まれながら坂上る
盛夏の暑い日に、蝉しぐれに独り包まれながら坂を上りましたが、蝉の声で、より一層の暑さを感じつつ坂を上ったのでありました。
夏休み思い出遠くなりにけり
学生の頃の夏休みは、思い出の多いものでした。その学生の頃の夏休みの思い出を思い出すことがあるのですが、遠い遠い思い出です。
若竹や一雨ごとに天を突く
その年の筍から、若竹が凄い速さで成長するのですが、それが一雨ごとに、天を突くばかりのように感じられたのでありました。
半袖の初々しさや五月晴れ
暑い季節を迎え、半袖に早めに衣替えしたのですが、早めの衣替えであって、半袖や半袖の日焼けしていない腕が初々しいです。