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梅雨の空傘の花咲く交差点
梅雨の空はうっとおしいですが、街の交差点では、お洒落な傘を差した人々が行き交い、傘の花が咲いているような明るい側面もあります。
新緑の陰を探して散歩道
新緑の時期は、まだ暑さや強い日光に慣れていない季節でもあります。ちょっと散歩するにも、新緑の樹々の陰を探して歩くのです。
万緑や日に日に色濃くなりにけり
新芽が大きくなり、若芽となり、そして、植物の生命力が一番溢れる万緑の季節を迎えるのです。日に日に緑が濃くなっていくのです。
夕凪に魚跳ねたる水面かな
夕方に夕凪になることがありますが、魚が跳ねると静かな凪が破られます。そうしますと、余計に夕凪の静けさが強調されるのです。
見上げれば押し返される梅雨の空
梅雨の時は、鉛色の雲が重く垂れこめております。鉛色の重たそうな空の雲を見上げる時、押し返されるような錯覚を感じます。
万緑の風に吹かれて坂登る
植物の緑が一番生命力にあふれる時、風を受けて坂を登って行くのであります。万緑の風が背中を押してくれているかのようです。
梅雨寒の中に映えたる傘の花
梅雨寒、と言うと暗い、重たいイメージがありますが、街に出ますと色とりどりの傘を差した人々が交差点を行きかう様子は華やかです。
新緑の社の朝の小鳥かな
朝に神社に通っていた期間が少しありました。朝の神社の清々しさは格別のもので、さらに、小鳥たちが多くさえずっておりました。
坂道を登り終えれば夏の雲
暑い中、苦労して長い坂道を登り終え、一息つくと同時に、坂の上での景色を見回すと、夏の風物詩の入道雲が見えます。
夕凪の水面に映る夕日かな
この季節は、海は夕凪になります。油をサーっと流したかのようであります。そんな水面に夕日が映る様は、実に美しいです。
万緑の中や石段登り切る
様々な植物の生命力を強く感じます。長くて急な石段を登り切りました。万緑の生命力に包まれて、励まされて、登り切りました。
梅雨空の重みに負けぬ梢かな
梅雨の鉛色の雲で覆われた重たい梅雨空に向かって伸びる樹々の梢は、あたかも、梅雨空の重みに負けず伸びていく様のようです。
新緑や見え隠れする小鳥かな
冬の枯れ枝などでは、小鳥たちの姿が見えておりましたが、新緑に成長したら、小鳥たちの姿も葉で見え隠れし、姿がなかなか見えません。
セミの声聴きつつ坂を登る朝
長い急な坂道を歩いて登っておりましたが、とにかく暑いです。アブラゼミの声が耳に入りますが、鳴き声でさらに暑く感じられます。
爽やかに耳に残りしカナカナや
晩夏には、ヒグラシがカナカナと鳴くようになります。私には、このカナカナが耳に心地よく、爽やかです。爽やかに耳に残ります。
心地よく耳に残るは風鈴か
風鈴の音など、涼を誘うものなど私達の先達は工夫して、暑さを少しでもやわらげようとして参りました。その風鈴の音が心地よく耳に残るのです。
坂道を登り終えれば蝉の声
暑い夏、長くて急な勾配の坂道を苦労して登り終え、油蝉の鳴き声の蝉しぐれがことさら耳に入って参りまして、一服の涼を味わいました。
半袖の腕の白さや夏の風
半袖を着るようになりましたが、まだまだ半袖の時間が短いので、腕は日焼けせず白さが目立ちます。そんな腕に夏の風が当たる様子に爽やかです。
若竹や真っ直ぐ伸びて天を突く
この春に出てきた新しい筍が伸びまして、早や若竹となりました。若竹は、あっという間に真っ直ぐ伸びて、天を突くかのようです。
新緑の枝揺らしたる朝の鳥
可愛い小鳥が新緑の枝から枝に飛び移り、餌か何かを探しておりました。その際の枝が揺れる様子、そして、可愛い小鳥が美しかったです。