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文庫本並べてみたがもう二月
年の始めに、これは読もう、と、数冊の文庫本を机に並べてみたのはよいですが、いっこうに読書がはかどらず、もう二月になりました。
たんぽぽやその生き方に教えられ
たんぽぽは、動きません。コンクリートのわずかな隙間で人に踏まれるところでも、そこから動きません。与えらた環境で明るい色の花を咲かせます。
侘びしきや雨に濡れたる落ち椿
椿が散る、というより落ちて、その落ちた椿の花が雨に濡れ、咲いていた時の形を留めていない事がよくありますが、なんとも侘びしきものです。
故郷に帰るとそこは木の芽雨
帰郷すると、木の芽時の雨が降っていました。木の芽時の雨で、樹々の新芽がいよいよ緑が鮮やかです。木の芽雨はやさしいイメージがあります。
新しきノートを開く新入生
新入生は、新たに買ったノートを使い始めます。何も書かれていない新品のノートを開き、そこに書き込み、新たな学習をするのでしょう。
下萌を踏まずに歩く道も出来
暖かくなってくると、下萌が生えてきます。ただ、人々がよく歩く通路は、下萌が生えてもすぐ踏まれ枯れるので、下萌を踏まずに済む道も出来ます。
ぼったりとまたぼったりと落椿
椿は散ると言うより落ちるのですが、ぼったり、と音を立てて次々と落ちるように錯覚致します。せっかく咲いたのにすぐ落ちるのは椿の惜しい点です。
君呼ぶや内緒話に桜餅
春の和菓子と言えば、私にはまず一番に桜餅が思い浮かびます。内緒話をしながら、お茶でも飲みながら桜餅を食べる。佳き春の時間の過ごし方です。
見上げれば飛行機雲や山笑う
春になり、山の樹々が新芽を吹く季節となりました。そんな中、天気の良い日に空を見上げれば、飛行機雲が一筋、上空にはっきりとありました。
盆栽の椿咲きたり今日は晴れ
長い長い寒い冬が終り、寒さはまだまだ残るものの、今年も盆栽の椿が咲く時期になりました。椿の花にどれだけ励まされることでしょうか。
新入生胸に秘めたる想いあり
新しく入学する新入生の中には、胸に秘めた希望・期待・等々の想いを胸に、学校の正門をくぐる者もいるだろうな、と想像するのであります。
故郷の駅のホームは木の芽雨
帰省すると、駅のホームが木の芽雨に包まれていたのでありました。木の芽雨に感傷的になり昔の事を想い出し、しばし想い出に耽るのでありました。
朝の日を浴びて輝く雪柳
ベランダの植木鉢で雪柳を育てております。毎朝、ベランダで洗濯物を干すとき、朝日を浴びてその白い清廉さが一層輝くのであります。
改めて本を並べる四月かな
長い間きちんと読まずに部屋の隅に平積みしてあった本を、四月になり新年度が始まり気持ちも一新したので、改めて並べるのであります。
疫病の流行る中にも梅の花
コロナ禍ですが、そんな中でも梅は忘れずに時期が来れば咲いてくれるのです。ストレス多いコロナ禍ですが、私は梅の花に随分助けられました。
よくもまあようやく咲いた梅の花
寒さが少しずつやわらいで来る頃、はじめに私の目を楽しませてくれるのが梅の花です。長かった冬を思い、ようやく咲いた、と感じるのです。
新しき時計を腕に入学す
新入生は、新しい腕時計を腕につけ、新たな学校で新生活をスタートさせるのです。新入生らしき学生さんを見ていてそういうことを想像しました。
ぎこちなく正門くぐる新入生
学校に入学したての新入生は、まだまだ登校に慣れておらず、こちらから見ておりましてもぎごちなく正門をくぐっているかのようです。
やれ椿まだ落ちるなよ落ちるなよ
椿の花は、散ると言うより、落ちます。まだ寒さが残る頃、椿が咲いて私の目を楽しませてくれるのですが、咲いてもすぐ落ちます。儚いものです。
細枝がしなるばかりに椿咲く
椿の鉢植えを育てておりますが、全体に貧弱で枝が細くひょろひょろしております。そんな細い枝先に、大きな大輪の花が咲くのです。