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少年がメバルを釣りし春の海
海の水温が上昇してきて、早春の海では、「春告魚」とも呼ばれ、春の到来を知らせる、メバルが釣れるようになります。
少年は春告魚を独り釣る
「春告魚」とは、メバルのことです。水温が上昇し、春の到来とともに、産仔が終わったメバルが釣れるようになります。
風吹けば惜しまれつつも散る桜
「花に嵐」の譬えもありますが、桜の花が満開を迎えた頃、強風が吹いて惜しまれつつも桜が散ってしまうこともあります。
見上げれば飛行機雲や山笑う
ふと、山の上の方を見上げれば、山は笑って綺麗でありました。その上に、一筋の飛行機雲がはっきりと浮かんでおりました。
堂々と朝日の中の椿かな
椿の鉢植えを育てております。早春に、大輪の花を咲かせます。朝、洗濯物を干す時、朝日の中で大輪の椿が堂々と咲いております。
春分や日なた探して犬歩く
犬の散歩をみますと、まだまだ寒さ厳しい春分の頃は、犬が散歩道の中でも少しでも暖かな日なたを選んで歩いている様です。
春一番心の憂さも吹きとばせ
春一番で、早春に強風が吹くことがありますが、私の心の憂さも吹きとばしてもらいたいものだ、と少し思うのであります。
よくもまあ今年も咲いた雪柳
植木鉢に、どこからか雪柳の種が飛んでまいりまして、それが芽生え、毎年、早春には小さい白い美しい可憐な花を咲かせます。
朝の日を浴びて輝く雪柳
雪柳を育てているのですが、朝に洗濯物を干すとき、それを見ると朝日を浴びて、白い小さな花が輝いて見えるのであります。
侘しさや椿の落つる音を聴く
坐禅では線香一本が燃え尽きる時間を一単位としますが、線香の灰が落る音が聞こえます。椿の花が落ちる音も聴こえるかの様です。
堂々と生きていけよと椿咲く
椿が咲く早春は、入学、就職と言った新生活に入っていく不安もあります。堂々と生きていけ、と椿の花が励ましているかの様です。
春浅し一月先の暦見る
早春は、就職、入学、卒業などの人生の節目のイベントがあります。そんなイベントの日時を一月先の暦で確認する早春であります。
早春の香りの中に走る犬
早春には、土の中のバクテリアが出す香りか、独特の香りが致します。そんな香りの中を元気に犬が走る様は、春の到来を感じさせます。
堂々と胸を張るべしおらが春
就職、入学等々、新生活に入ることの多い春ですが、自分の人生なのだから、ここは「おらが春」と考え、堂々と人生を切り開きたいです。
もの言わぬ小枝の先に木の芽かな
早春には、枯れ木の様だった木々の細い枯れたような小枝の先に、何もものを言わず、黙って、木の芽が吹いてまいります。
膨らみし枝の先にも春の雨
春まだ浅い中、枯木の細い枝の様な小枝の先に、新芽が膨らんでまいります。そんな枝先にも、春の雨が降る様子にあわれを感じます。
踏まれても堂々と咲くたんぽぽや
たんぽぽは、道端で通行人に踏まれても、堂々と黄色い明るい花を元気いっぱい咲かせますが、そこから私も学びたいです。
春の宵傘をさす人ささぬ人
春の宵に、細い雨が降りましたが、もう暖かくなってきているので、傘をさす人と傘を持っていてもささぬ人に分かれました。
堂々と胸を張れよと桜咲く
桜の咲く時期は、入学、就職等、新生活に入って行く時期ですが、桜の花が堂々と人生を歩んで行けと励ましているかの様です。
咲き切らずぼたりと落つる椿かな
春がまだ浅い頃、椿の花が開ききらず、中途半端な咲き方で、ぼたりと音をたてて落ちるような様子には、あわれを感じます。