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あまり無理するなとばかり椿咲く
椿が咲くのは、新生活に向けてやや頑張り過ぎる時期です。椿の花は、あまり無理するなよ、と言っているかの様です。
たんぽぽのわたの白さや旅の朝
たんぽぽのわたの白さには、清廉さと可愛らしさ、そして、生命力を感じます。さらに、わたもこれから風に吹かれどこかに飛びます。
枝々につぼみ散りばめ雪柳
春がまだまだ浅い寒い季節に、雪柳は、その枝々に、小さなつぼみを沢山付けていて、まるで枝々に散りばめているかのようです。
侘びしきや雨に打たれる落ち椿
椿は、花が咲いても落ちます。落ちた椿の花の形の崩れた残骸が雨に打たれている様子には、大変侘びしさを感じます。
咲き乱れこぼれ落ちたる椿かな
椿を育てていますが、花が咲き乱れ、そして一気に落ていく。落るのもいくつもの花が、こぼれ落ちるように落ちていきます。
旅立ちを見送る如く桜咲く
春に新生活で、遠くへ旅立って行くのをまるで見送るかのように、桜は咲きます。黙って咲いていても、応援してくれています。
咲ききらぬうちに落ちたる椿かな
椿の花は、すぐに落ちるのですが、蕾から花開いていく途中で咲ききらないうちに落てしまう花もあり、あわれを感じます。
堂々と歩いていけと桜咲く
桜は新生活が始まる時期に花を咲かせます。桜の花は、自信をもって堂々と胸を張って歩いて行け、と励ましているようです。
雪柳花の白さに教えられ
白い小さな花を沢山咲かせる雪柳ですが、その清廉さには、こんな清廉な生き方もあるのだ、と教えられるようでもあります。
もの言わず花びらこぼす桜かな
桜は、当たり前ですが黙って咲きます。黙って何も言わず、散っていきます。黙って花が咲き、散る桜は黙って楽しませてくれます。
猪が掘り起こしたる春の土
猪が里に降りて来るようになると、餌を求めて猪が土を掘った跡があちこちに出来ます。春の風物詩の様にも感じられます。
春雨や傘をさす人ささぬ人
春雨では傘を差さずに歩く人も、また、傘を差す人もいます。春雨や濡れて行こう、そのまま歩いて行く人も多いのが春の雨です。
惜しみなく花びらこぼす桜かな
桜は、散っても散っても、いくらでも花びらを散らすように錯覚します。その様子を、何の惜しみもなく花びらをこぼすように感じます。
少年が春告魚を釣りし朝
春告魚とは、メバルの事です。早春に良く釣れるようになり、春の訪れを教えてくれます。そんな海の情景は、ほのぼのとしたものです。
窓際の春の陽射しのやわらかさ
外はまだ厳しい寒さが残るものの、窓際の春の陽射しの中にいると、そのやわらかな陽射しにじんわりと幸福感を感じるのであります。
踏まれても嗚呼花咲かすたんぽぽや
たんぽぽは道端で、踏まれても枯れもしません。それどころか、明るい色の花を常に明るい太陽の方向に向かって咲かせます。
雪柳五濁悪世の片隅に
五濁悪世と言われる五つの濁りに満ちた悪い世の中の片隅に、雪柳の清廉な白い花を見ると、この世も捨てたものじゃないとさえ思います。
様々な人の想いや桜咲く
桜が咲く季節は、学校を卒業・入学したり、就職したり・・・出会い・別れの季節です。様々な人が、様々な想いを抱く中、桜は咲きます。
梅ほどにげに有難き花はなし
冬の寒さが緩んで、一番最初に私を喜ばせてくれる花が、この梅の花なのです。また、実は、梅干し等として、健康を支えてくれるのです。
堂々と胸を張れよと桜咲く
新生活の始まる季節に、桜の花は堂々と咲き、満開の桜に、お前も胸を張って堂々と生きていけ、と激励されているかのようです。