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やれ踏むなバッタに多生の宿世あり
道端のバッタにも、宿世はあった訳で、それに何度も生まれ変わる過程で結ばれたご縁があるので、うっかり踏むわけにはいきません。
石段を登り終えれば天高し
昔の話ですが、山寺にお参りした際、長い石段を苦労して登ったのですが、苦労して登り終えれば、秋晴れの、天が高かったのでありました。
西の空雲が焼けたり秋没日
秋の暮れに夕日がやや黄色がかった見事な赤色でありまして、西の空では、雲が夕焼けで焼けているかの様であった光景が心に強く残りました。
いつもより腹をすかせて秋の暮
「食欲の秋」とも言われます。また、子供の時の遠足の帰りか、夕食を前にした秋の夕暮れ時には、夏や春以上にとても空腹感が強いのであります。
夕暮れの淋しき雨や秋深し
夕暮れ時の雨は、それだけでも淋しさを感じるものでありますが、秋が深まって参りますと、なお一層淋しさを感じるのであります。
山道を登り終えれば秋の風
山歩きか何かで山道を苦労して汗をかきかき登り終えれば、そこで秋の涼しい風が一陣吹いて参りまして、疲れが一気に吹き飛びました。
ふと窓を見れば陽が落ち秋の暮
屋内でパソコンの作業に一心不乱に熱中しておりましたところ、ふと窓の外を見やれば、つるべ落としの陽が落ちてすっかり暮れ時になりました。
やわらかな日差しの中のススキかな
秋を代表させるものに、ススキがありますが、そのススキがやわらかな秋の日差しの中に包まれ、やわらかに輝いておりました。
侘しさや夕暮れ時の萩の花
小さな萩の花が、それだけで侘びしさを感じさせるのでありますが、秋のやわらかな夕陽を浴びてさらに侘びしさを感じさせるのであります。
見上げれば今日も晴れなり秋の空
秋は、比較的、晴れの日が続くように感じます。そして、そんな晴れの日が続いてた時に、秋晴れの空を見上げるのは、とても気持ちの良いものです。
新米の香り思わずお替わりす
秋と言えば、新米の収穫・販売があります。新米のお米を炊いたご飯は、その香りがとても良く、思わずお替わりする食欲の秋です。
教会の鐘の音運ぶ秋の風
風が鐘の音を運ぶことが本当にあるかどうかは分かりませんが、秋の澄んだ空気の風が教会の鐘の音を運ぶようにどうしても感じるのです。
秋の夜読んだつもりで平積みに
秋の夜長に読書の秋、とばかり、「あれも読みたい、これも読みたい」と本に手を出し過ぎて、大して良いんでもない本が平積みになっています。
秋の暮壊れたままの腕時計
壊れたままの腕時計は、なぜか、侘びしさを誘うのですが、秋の深まりとともに秋の暮れが壊れた腕時計の侘びしさを一層誘うのであります。
秋深し俳句の本に付箋貼る
秋が深まり、目に映るものが俳句の素材になるのですが、それが、俳句を詠む意欲を高め、俳句の句作の参考書に手が伸び、付箋を貼り読み込むのです。
夕焼けを背にして歩く秋深し
晴れた日の秋の大きな夕焼けは、やや黄色の赤い、強い日光で目が眩しいものですので、思わず夕焼けに背を向けて歩くのであります。
秋の暮お地蔵さまに手を合わせ
秋の暮れは、何かと感傷的になり、いつも通る道に居られるお地蔵さまに思わず、日々の安穏の感謝のお礼で、手を合わせるのであります。
長き夜読んだつもりの文庫本
秋の夜は長いです。読書の秋です。そんな夜長ですが、しっかり内容が理解できていない文庫本、読んだつもりの文庫本が平積みになります
秋の夜やうっかり本に引き込まれ
ちょっと寝る前に、少し読書をしようとして、うっかり本の世界に引き込まれ、寝るのが遅くなるのが常であります。反省しないといけませんね。
紅葉狩り古き寺には五重の塔
綺麗な紅葉を観ようと訪れた古い寺には、とても趣き深い五重の塔がありまして、紅葉の赤色との組み合わせがとても美しかった事があります。